ベラスケ　旅の終わり

表情のない眼差し、陶磁器のような白い肌。
初めてお目にかかるモデルさんはおそらくハーフだろうが、
バラエティに富んだ個性の持ち主がまだまだ居られることがありがたい。

衣服の柄や模様は時間がなければ描かない。
模様に気を取られて肝心の中身を見失わないよう注意したい。
今回のモデルさんのワンピースは実はグレーの格子柄で
中にびっしり花柄が並んでいた。
花柄までは無理だったが、格子は人体の等寸を測るのに
意外に都合が良かった。

あえてパステル専用紙ではなくNTラシャ紙を使うのは
固めのカレードパステルが細目の紙質に載って微妙な色彩表現が出来ると
感じるからで、たとえばモデルの量感だったり心情をドラマチックに
演出するなら、パステルではなく別の素材で描く方が良いかもしれない。

K灘先生のご指導以来、絵の具の厚塗りを意識しているが
なかなか筆致と色が噛み合わず、いい気分で制作できていない。
パステル画でも以前に増して色彩表現に重点を置いて、厚塗りとコントラストを
気にするようになって来ている。
この傾向はプラスになるかどうか。

あれだけチラシを配ったのに参加者は2人だけ。しかもおひとりは仕事の都合で
早々と途中退席で私だけのモデル独占状態。
写真撮影もOKで、デッサン会なのか撮影会なのか もう訳分からない有様。
いやいや気を引き締めて絵を描かねば！
雨天だったが こんなにお得な機会を逃した人は本当にお気の毒だと思う。

エリス会も久しぶり。存続危ぶまれるが、今日は10名の参加でありがたい。
老舗の会だから永く続いて欲しいところ。

仕事がめずらしく立て込んで、久々のデッサン会の高津宮。
高津宮はいつの間にか大盛況になって、喜ばしいことだが 場所選びに悩む。
今回はモデルさんの真正面。目と目が合ってドギマギしたし、
パステルの使い方に新しい試みがあった事もあり、20分×5回の割には
かなり情けない仕上がりになった。

YouTubeの音楽サイトで最近気に入っているウクライナの曲。
何だかとても癒されるメロディと、歌声の美しさに感動する。

F8比にトリミング

今回のエリスは時間の経過が遅く感じた。
それはモデルの顔を描く時間が節約出来そうだと思ったからではなく、ましてや
無駄無く随所がすばやく的確に捉えられているからでもない。
なんとなく構図を決めて、肌の色を描き込んでいるうちに時間がきたら
そこそこ出来上がっているだろうと、のんびりしていたせいに違いない。
案の定、結果はメリハリのないぼやけた絵になった。
緊張感がないのは描き手の気持ちが絵に現れた証拠だ。

おでこ、頬、顎、首と大きな面で捉えること。
頬から首にかけては一体として描き出す。これぞ油絵という感じ。
今までこんなに絵の具を厚塗りしたことは無かったから
とても新鮮な経験になった。